ひとりで悩まないで

 子育てに悩みはつきもの。特に、初めての子どもを通して経験することは、何もかも戸惑うことが多いのは当然でしょう。
 でもそんなとき、あなたの近くで、親や子育ての経験豊富な人が、いろいろ手とり足とり教え助けてくれたら、どんなに救われることでしょう。しかし、親から離れて暮らしている人や、近くに親しい人がいない場合は、いったいどうやってその助けを求めたらいいのでしょう。
 実は、子育てに関する悩みを一緒になって考えてくれる場所が、あなたの身近にもけっこうあるんです。必ず秘密を守って相談に応えてくれますから、小さなことでもひとりで悩まないで、まずは電話をください。

あなたのそばの児童心理治療施設児童家庭支援センター児童相談所精神保健福祉センター保健所子育て支援センター、いじめ110番、虐待防止ネットワークなどでは、医療・福祉・教育などの専門的スタッフが相談にあたっています。安心してご相談下さい。

児童心理治療施設

 児童心理治療施設は、児童福祉法43条の5の施行にともない1962(昭和37)年に「岡山県立津島児童学院」が開設されて以来、現在、全国46ヶ所に設置されています。最近の社会情勢から、平成11年、通常国会において、全国各都道府県への設置の有用性についての答弁がなされ、全国各地で開設に向けての準備が進んでいるところです。

児童相談所

 児童相談所とは、児童福祉法に基づいて18歳未満の子どもに関するあらゆる相談に応じ、子どもに対してより良い育成環境を整えるために、調査・診断・調整を行う所です。相談を受けて後の処遇方法には、児童を一時的に保護したり、施設入所や里親委託などの措置(そち)を進めます。スタッフに精神科医師、心理判定員、児童福祉司などが配置されています。

■相談の種類と内容

児童家庭支援センター

 児童家庭支援センターは、平成10年度の児童福祉法改正に伴って新たに創設されたもので、児童心理療育施設、児童養護施設、児童自立支援施設、母子生活支援施設、乳児院に附置されるものです。上記各施設の培ってきた育児ならびに教育のノウハウを活かす形で18歳未満の子どもに関する様々な相談を受け付けます。また、児童相談所と連携しながら助言・指導、調整および一時的な保護を行います。

精神保健福祉センター

 都道府県、政令指定都市に各1か所の割合で開設されている相談機関で、児童に限らず幅広い年齢の方々からの、精神保健に関する様々な相談に対応しています。 スタッフには精神科医師、心理判定員、保健師、看護師、福祉指導主事、各種福祉司等専門スタッフが対応しています。

保健所

 医師や保健師を中心に、発達相談のほか育児に関する相談にも対応しています。保健所窓口まで出向かれることが困難な方は、訪問、巡回してもらう形で相談をすることができます。

教育センター

 各都道府県政令指定都市に一か所ずつ開設されていて、教職員の研修を併せて行う教育研修センターという名称になっている県もあります。全国の教育センターでは相談業務の他に不登校児を中心とした「適応指導教室」を開設しているところもあります。また、教育センター以外にも地域の小・中学校の一画に教室を整備し、教員や教育相談員が配置されている所もあります。詳しくは最寄りの教育委員会におたずねください。

子育て支援センター

 保育所、幼稚園に未就園の親子を対象にした育児支援を行う施設です。保育所を中心に附置される形で開設されていますが、平日の日中(ほぼ、午前9時~午後4時)には大勢の小さなお子さんを抱えた母子でにぎわっています。時には父親や祖父母の方が連れてこられることもあって、利用者が相互に子育ての情報を交換し合ったり、スタッフ(保健師、保育士他)からのアドバイスに耳を傾けたりしています。季節ごとの楽しい行事や子育て講演会等も開かれています。